TOF-SIMSによるニッケルめっき剥離面の評価(C0404)
めっきの剥がれ、密着不良をTOF-SIMS分析で原因調査
概要
リン青銅上のニッケルめっきに発生した剥がれの不具合を調査するため、TOF-SIMS分析を行いました。
剥がれの部分を強制剥離させ、TOF-SIMSで定性分析を行ったところ、剥離面からはシロキサンやカリウム化合物(塩化カリウムや硫酸カリウム)などが検出されました。これらの成分が剥がれの原因であると考えられます。
データ
剥がれてしまった部分を強制剥離させて、剥離面をTOF-SIMS分析を行いました。
定性分析(マススペクトル)
Ni・Cu・シロキサン(SiC3H9)のマッピングデータ
横方向のラインプロファイル
上記のマッピングデータにより、剥離した部分にはシロキサン(SiC3H9)が存在していることがわかります。
横方向のラインプロファイルにより、シロキサンが強く存在する部分には、ニッケルと銅が弱くなっていることも確認できます。