マイクロサンプリングツールを用いた異物分析(C0363)
下地・基板の影響なく異物の成分を同定します
概要
異物分析の際、下地の影響により顕微FT-IR分析やラマン分析では解析が困難な場合がありましたが、
マイクロサンプリングツールを用いることで、その影響を低減することが可能です。
本資料では2種の異物についてサンプリングを行った分析例をご紹介します。
データ
粘着テープ上異物のFT-IR分析
粘着テープに付いた異物をそのまま測定すると異物情報が粘着テープ情報に埋もれてしまうため精密ピンセットで採取してFT-IR分析を行いました。
図1に示すように、繊維異物のスペクトルはセルロースのライブラリデータと近い形状をしており繊維異物はセルロースであることがわかりました。
表示素子上異物のラマン分析
表示素子上の異物をそのまま測定すると発光層の蛍光に異物情報が埋もれてしまうため、プローブで採取して分析を行いました。
図2に示すように、表示素子上では検出できなかった異物由来のピークが、サンプリング後の異物では検出されました。同ピークはアクリル系のライブラリデータと近い形状をしており、異物はアクリル系の物質であることがわかりました。
※サンプリング可能なサイズ:10μm程度~(サンプル形状にもよりますのでご相談ください)