歯のエナメル小柱の断面観察(C0211)
FIB加工技術を応用し、エナメル質/接着材界面の全景を観察
概要
虫歯治療においては、「う窩」に詰める充填剤を歯質と一体化するため接着材が用いられます。接着材には歯との強固な接着力と、治療後長期にわたって口腔内に発生する酸や熱などに耐久していく性能が求められており、接着界面の観察は評価・検討のための有効な手段です。FIB加工技術を使用した作製法を用いることにより、従来のダイアモンドナイフを用いた超薄切片では得られなかった有効な成果を得ることができましたので紹介します。
データ
エナメル質の微細構造
- エナメル小柱
ほとんど90%以上が無機物で構成され、アパタイト結晶の集合体で形成されている。 - エナメル小柱鞘
小柱と小柱の間にある0.1μmの隙間。有機性高分子(蛋白質)の構成比率が高く、一部アパタイトも含まれる。
サンプルご提供:東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科
口腔機能再構築学系 摂食機能保存学講座
う蝕制御学分野 高垣 智博先生