ワイヤボンディング界面の元素分析(C0486)
加工と組み合わせて合金層やボイドの分析が可能
概要
AES分析は最表面(~深さ数nm)の組成情報や元素分布を得る手法ですが、断面加工を併用することで、層構造内や構造界面でも同様の情報を得ることができます。合金層や元素拡散・偏析等の評価が可能であるため、デバイスの故障解析や不具合調査等に有効です。
以下にワイヤボンディングの接合部界面近傍の状態を評価するため、IP加工にて断面を出し、AES分析により評価した事例をご紹介します。
データ
- 接合部界面近傍にて合金層やボイド(クラック)が確認されました(図2)。
- 組成分析の結果、ボイド(クラック)周辺ではAlの偏析が確認されました(表1)。
- 元素マッピング像から、合金層の下には極薄いTi層が存在していることが確認されました(図3)。
図1 ワイヤボンディング断面(二次電子像)
表1 各箇所の組成分析結果(単位:atomic%)
図2 界面部拡大(二次電子像)
図3 界面部拡大(元素マッピング像)
赤:Al, 青:Au, 緑:Ti, 黄:Si