GaNの部分状態密度測定(C0511)
価電子帯・ギャップ内準位について元素別の情報が得られます
概要
放射光を用いた軟X線発光分光(SXES)は材料を構成する各元素について、フェルミ準位近傍の部分状態密度(pDOS)を直接的に得られるため、材料の電子状態を評価する手法として幅広く用いられています。さらに本手法の特長として、①バルクの情報が得られる ②絶縁物に対しても帯電の影響を受けず評価可能 ③検出下限が低い(<1atomic%)などが挙げられ、特に軽元素(B,C,N,O等)を含んだ材料の評価に有効です。本資料では測定例としてGaN基板のSXESスペクトルをご紹介します。
データ
軟X線発光過程の模式図
GaN基板のN Kα SXESスペクトル
- 発光スペクトルは占有準位の情報を反映
- 特定の元素・軌道の部分状態密度が得られる
- 吸収スペクトル(XAFS)の同時測定によって非占有準位の情報も得られる
ポイント
材料特性を支配する価電子帯・ギャップ内準位について元素別の情報が得られます