有機EL材料(OLED)のTOF-SIMSによるRGB素子深さ方向分析(C0243)
雰囲気制御下でのGCIB(Arクラスター)を用いた有機EL層構造・劣化層の評価
概要
有機ELディスプレイは高精細化・低消費電力化の可能性を秘めた材料であり、市場拡大が期待されています。近年では画質の高精細化のために配列画素が微細化されていく傾向がみられています。
小さな画素を狙って測定を行う場合、従来の斜め切削TOF-SIMS測定では、深さ方向の評価が困難でしたが、今回GCIB(Arクラスター)を導入することで、微小画素でも深さ方向に再現性良く有機EL材料の評価が可能であり、材料の劣化・拡散評価も可能となりました。
※GCIB:Gas Cluster Ion Beam
データ
データ例
市販品の有機ELディスプレイ中の20μm×100μmの画素内を狙ってTOF-SIMS測定を行いました。
素子が小さいため、従来の斜め切削法では層構造に対応した分布がみられておりません。一方、GCIBを用いたところ、層構造に対応した有機材料の評価が感度よく可能となっています。