リチウムイオン二次電池 Si負極の評価(C0257)
サンプル冷却により充電後のSi負極の構造を評価可能
概要
Siは高容量負極活物質の候補の一つですが、充放電時の非常に大きな体積変化のためにサイクル劣化が激しいと言われています。今回、充電後のSi負極の状態を確認するために、雰囲気制御環境下で解体して冷却FIB加工を行い、SEMにて断面形状を観察しました。室温で断面観察を行った場合は、膜の収縮・観察面の荒れ・孔発生等の大きなダメージが見られる一方で、冷却しながら観察を行うことでSi負極の変質を抑えて試料本来の形状を評価できました。
データ
サンプル
- 負極および作製方法
アモルファスSi(膜厚 約450nm)
成膜方法 スパッタ法
基材 銅箔
- 電池構成
評価セル
負極活物質 アモルファスSi膜
正極活物質 LiCoO2
電解液 1M LiPF6 ,EC:DEC=1:1(容積比)
今回のサンプルのようにLiが多量に存在する材料や耐熱性の低い材料に関しては、冷却によって変質を抑えて評価することが有効です。