導電性塗料中の成分の分析(C0400)
試料冷却により塗料中の添加剤の形状と成分、および分散状態を評価
概要
導電性塗料は、絶縁性材料に導電性を持たせるために用いられています。もともと絶縁性である塗料自体に導電性を持たせるために、塗料中には添加剤が加えられています。
本資料では、導電性の異なる2種類の導電性塗料について、塗料中の添加剤の形状と成分、および添加剤の分散状態を評価しました。
データ
試料調整・分析手順
導電性の異なる2種類の塗料A,B(導電性:A>B)について、急速冷却後、クライオFIB-SEMにより塗料の内部構造を観察しました。
断面SEM観察結果
図1,2に、クライオFIB-SEMによる塗料A,Bの断面観察結果を示します。塗料A(図1)と塗料B(図2)とでは、添加剤の形状と分散状態が異なっていることが観察されました。
図3に、塗料Aの添加剤に着目してEDX元素マッピングを行った結果を示します。塗料Aの添加剤の成分はCuであることが分かり、また、一部のCuの周囲がAgでコーティングされていることが分かりました。