単結晶Si表面のダメージ評価(C0549)
高分解能測定と波形解析を利用してc-Siとa-Siの状態別定量が可能
概要
半導体の製造工程において表面改質を目的としたイオン照射を行うことがあります。その中で、単結晶
Si表面に不活性元素のイオンを照射することで構造の損傷が生じ、アモルファス層が形成されることが
知られています。
高分解能なXPSスペクトルではc(単結晶)-Siとa(アモルファス)-Siが異なったピーク形状で検出されることを利用してa-Siとc-Siを分離・定量評価し、TEMで断面観察を行った事例を紹介します。
データ(1)
高分解能測定と波形解析の組み合わせでc-Si,a-Siの状態別定量が可能です
c-Siが明瞭に2本に分裂したシャープなピークで検出されるのに対して、a-Siはブロードなピークで
検出されることから波形解析による分離が可能です。
※波形解析依存が大きいため、同一の波形設定で試料間比較を行います。
データ(2)
a-Si層の厚みを算出することも可能です
波形解析結果に各種仮定,パラメータを合わせることで、アモルファス層の厚み(ダメージの深さ)を見積もることができます。見積もられる厚みの傾向は(S)TEM像の測長結果と対応することが確認されています。