微細トランジスタの構造評価(C0338)
Csコレクタ付TEMによる高分解能TEM観察
概要
TEMの球面収差を補正したCsコレクタ付TEM装置を用いることで、高分解能で素子の断面構造観察を行うことができます。
本事例では市販のMPUトランジスタ部の高分解能(HR)-TEM観察とEDX元素分布分析を行ったデータを紹介します。3次元的な構造を持つFinFETのような微細な多層構造でも、Csコレクタ付TEMを用いることで素子の構造や元素分布を明瞭に観察することが可能です。
データ
市販MPUのFinFET部にて薄片化加工を行い、TEM分析を行い、チャネル部やゲート電極を含む全景像を取得しました。(図1,2)
EDXマッピングを行った結果(図3)、ゲート絶縁膜であるHigh-k膜成分がカバレッジ良く成膜されていることを確認しました。
また、チャネル部の高分解能Cs-TEM観察の結果(図4)から、Si中に結晶欠陥はなく、界面の構造を明瞭に観察することができました。