XPSによるプラスチック容器ガスバリア膜の評価(C0513)
有機膜の定性・各元素の結合状態の分離および定量化
概要
多くの食品に用いられているPETボトルを例としたプラスチック容器では、軽量で割れないなどの特長を持つ一方で、缶やビンよりもガスバリア性が低い点が課題とされてきました。近年では酸素の侵入や炭酸の損失による品質の劣化を防ぐため、PETボトルにガスバリア膜をコーティングする技術が開発され、広く利用されています。本資料では、市販のPETボトルの測定から、ガスバリア膜の組成及び化学結合状態評価を行った事例を紹介します。
データ
サンプル概要
PETボトルの内側と外側を、XPSで分析しました。
分析結果
試料内側からはC,O,Nが検出されました。各元素の結合状態および定量値が試料内側ではナイロン系の構造、外側ではPETの構造とそれぞれよく対応していることから、試料内側にはナイロン系のガスバリア膜が使用されていることが分かります。
PETボトル内側
=ナイロン系ガスバリア膜
PETボトル外側
ポイント
有機膜の結合状態の分離や定量化が可能です
MST技術資料No. | C0513 |
掲載日 | 2018/03/08 |
測定法・加工法 | [XPS]X線光電子分光法
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製品分野 | 日用品 食品
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分析目的 | 組成評価・同定 化学結合状態評価 製品調査
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