エポキシ樹脂のTDS分析(C0568)

真空中での有機物からの脱ガス挙動を調査可能です

概要

エポキシ樹脂は半導体封止材として、また真空装置内外で接着剤や真空リーク対策として使用されています。しかし硬化後であっても加熱により脱ガスが発生する場合があり、製品や装置に悪影響を及ぼす可能性があります。TDS(昇温脱離ガス分析法)は高真空中(1E-7 Pa)で試料を昇温、または温度を保持しながら、脱ガス成分をモニターすることが可能です。以下にエポキシ樹脂についてTDSで温度保持を行い、脱ガスの挙動を調査した事例を示します。

データ

実験手順

  1. エポキシ系接着剤を硬化
  2. TDS装置内で150℃まで昇温
  3. 150℃で1時間温度を保持

分析結果

  • 硬化後のエポキシ系接着剤から水、CO2、有機物が脱離
  • 1時間温度保持中は各成分ともガスの脱離が継続(※)
    ※ 脱ガス強度の低下が継続しているため

図1 TDSの分析結果

ポイント

  • 試料の実プロセスに合わせた温度条件で、脱ガスの評価が可能です。
    (※ 最高温度:700℃程度、試料内容により変動します。)

適用例

  • 有機物の真空中での脱ガス評価
  • 試料のベーク条件の評価

MST技術資料No.C0568
掲載日2019/06/27
測定法・加工法[TDS]昇温脱離ガス分析法
製品分野製造装置・部品
分析目的微量濃度評価
その他

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