TDSによる銅板・はんだの同時加熱分析(C0569)
部材同士を接触させ、実プロセスに近い環境での脱ガス評価が可能
概要
はんだを用いた金属の接合は、エレクトロニクス分野において欠かすことのできない工程のひとつです。
金属とはんだが接触した状態で加熱した際の脱ガスは、ボイドの原因となることが知られています。
以下に、銅板にはんだを乗せた状態でTDS分析(昇温脱離ガス分析)を行った事例を紹介します。TDSは部材の加熱に伴う脱ガスを評価可能です。TDS装置内で銅板とはんだを接触させ同時に加熱することで、実プロセスに近い環境での脱ガスを捉えることができました。
データ
試料
銅板に鉛フリーはんだ(Sn-Ag-Cu系)を乗せた状態で、TDS測定を行いました。
結果
図1 銅板にはんだを乗せた状態でのTDS結果
- 加熱に伴い、ボイドの原因となり得るH2Oの脱ガスが確認されました。
*横軸の温度ははんだを乗せずに測定した際の銅板表面の温度であり、本測定における銅板やはんだの温度とは異なる場合があります。
ポイント
- 部材同士を接触させた測定により、加熱中の反応等、実プロセスに近い脱ガス評価が可能です。
- 脱ガス温度・脱ガス成分を評価することで、加熱プロセスの見直しに貢献します。
MST技術資料No. | C0569 |
掲載日 | 2019/07/04 |
測定法・加工法 | [TDS]昇温脱離ガス分析法
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製品分野 | 電子部品 製造装置・部品
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分析目的 | 故障解析・不良解析 その他
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