IGZO膜の化学状態評価(C0331)
XPS・UPSを用いた結合状態・電子状態評価
概要
IGZO膜はディスプレイ用TFT材料などに利用される酸化物半導体材料です。
複数の金属元素から構成されるため、プロセスによってどのように組成や結合状態、電子状態がどのように変化するかを把握しておくことが重要です。
XPS・UPSを用いてIGZO膜表面の組成・結合状態・電子状態を評価した事例をご紹介します。
データ
IGZOをスパッタで成膜し、試料表面のXPS・UPS測定を行いました。
※UPS測定はArイオンスパッタクリーニング後に実施
XPS測定の結果、各金属元素は酸化物として存在していることが確認されました。(図1)
価電子帯領域の測定結果からVBMを3.04eVと見積もることができました。(図2)
UPS測定の結果、IGZOのイオン化ポテンシャルを7.8eVと見積もることができました。(図3)
表面処理や加熱などのプロセスによって膜がどのように変化しているかを評価することが可能です。