MSDM(Mass Spectra Depth Mapping)による有機ELデバイスの評価(C0411)
質量スペクトルを可視化することで、より高精度な解析が可能です
概要
有機EL(OLED)は高精細ディスプレイ向けパネルや照明用など多様な用途に用いられており、層構造解析や劣化解析のニーズが高まってきていますが、様々な有機材料を組み合わせて形成されているため、元素分析だけでは一部の現象しか捉えることができません。
本資料では、TOF-SIMSによりOLEDの深さ方向分析データを取得し、MSDM(Mass Spectra Depth Mapping)により解析した事例をご紹介します。
データ
図1 有機ELデバイス模式図
TOF-SIMSの深さ方向分析では、各深さで質量スペクトルが存在するため、深さ・質量・スペクトル強度の3次元データが得られます。
各深さの質量スペクトルを可視化して深さ方向に結合したものがMSDM表示です。(MSDMについての詳細は資料B0221をご参照ください。)
有機EL(OLED)について、MSDMと各層で特徴的な成分のデプスプロファイルを重ね合わせたものを図2に示します。
1枚の画像を観察することで、通常のTOF-SIMSの解析よりも高精度な解析が可能となり、材料の拡散や劣化の評価などに利用できます。
図2 MSDMとデプスプロファイルの重ね合わせ
Electronic Journal別冊「2014 有機ELテクノロジー大全」投稿