2次元検出器を用いたX線回折測定(B0212)
XRD:X線回折法
概要
2次元検出器を用いて測定を行うと、回折角(2θ)に加えてあおり方向(χ)の情報も同時に得られます。観測される2次元回折像は材料の結晶性や配向性などの特徴を可視化することが出来るため、配向性が特性に影響する材料の評価に有効です。
原理
XRD装置の検出器は0次元、1次元、2次元の3種類あります。0次元検出器と2次元検出器のイメージおよび各検出器で測定したデータについて以下に示します。
0次元検出器
検出面に位置情報はありません。
回折面間隔の情報のみが得られます。
2次元検出器
検出面に回折角(2θ)とあおり方向(χ)に対する位置情報を有します。
回折面間隔だけではなく、配向状態に関する情報が得られます。
X線回折のイメージ図
2次元検出器の出力例(2次元回折像)
縦軸:あおり方向、横軸:回折角、輝度:強度
0または 1次元検出器での出力例(回折プロファイル)
縦軸:強度、横軸:回折角
データ例
単結晶試料では回折角(2θ)およびあおり方向(χ)のばらつきが小さいためスポット状に観測されますが、無配向試料ではあおり方向(χ)は連続的で均一な輪が観測されます。
異なるフィルム材料を測定したところあおり方向(χ)の広がりに違いが見られました。
フィルム材料によって配向性が異なる傾向を確認できました。
MST技術資料No. | B0212 |
掲載日 | 2015/08/13 |
測定法・加工法 | [XRD]X線回折法
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製品分野 | LSI・メモリ 酸化物半導体
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分析目的 | 構造評価
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