PDMSのAFMによる動的粘弾性評価 【AFM-DMA】(C0629)
粘弾性率の面内分布評価及び周波数依存性評価
概要
高分子材料の研究・開発において重要な要因である力学特性を示す粘弾性挙動を調べる方法として、動的粘弾性測定(DMA:Dynamic Mechanical Analysis)は有効な手段です。また、AFMの機構と組合せることで、面内分布測定や局所領域での評価が可能となります。
本資料ではAFM-DMAを用いて、高分子であるPDMS(ジメチルポリシロキサン)の粘弾性率のマッピング及び周波数依存性スペクトロスコピー評価を実施した事例をご紹介いたします。
試料説明データ
評価方法① : AFM-DMA によるPDMS表面の粘弾性マッピング評価 (測定周波数:77 HZ)
面内の弾性率(E’,E”)は一様な分布をしており、面内は均一な組成であることを示している
評価方法② : AFM-DMA による粘弾性の周波数依存性スペクトロスコピー評価
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Point
動的粘弾性評価への2つのアプローチ
①マッピング評価
→特定の周波数(0.1Hz-300Hzで選択)における
粘弾性率の面内分布評価が可能
均一性 , 局在性の有無の評価に有効
②周波数依存性スペクトロスコピー評価
→1Hz-20kHz で周波数掃引することで、
粘弾性挙動の評価が可能
(弾性率 vs. 周波数変化プロットが可能)
エネルギーの散逸性の評価に有効
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tanδの周波数依存性は低く、
高周波領域で顕著な上昇がないことから、
エネルギー散逸性が低い材料であることを示している
MST技術資料No. | C0629 |
掲載日 | 2020/10/01 |
測定法・加工法 | [AFM]原子間力顕微鏡法
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製品分野 | 電子部品 製造装置・部品 日用品
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分析目的 | 製品調査 その他
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