ソフトマテリアルの断面観察と元素分析(C0244)
クライオSEM観察-EDX分析で溶液試料の構造を直接評価
概要
熱に弱い有機材料や液体試料の内部構造を観察・分析するには、加工や電子線照射による温度上昇を抑え、一連の分析を行う必要があります。
本事例では化粧品を評価サンプルとし、冷却環境を維持したまま断面FIB加工・SEM観察・EDX分析までの構造分析を行った事例をご紹介します。
データ

■特徴
・冷却環境で断面FIB加工とSEM観察を実施
装置付属のEDX分析で元素評価も可能
・極低加速電圧での高分解能SEMを搭載し、変質を抑えた高精細(最高4096×3536pixels)な画像を取得可能
・ 加工&観察を繰り返すことで三次元構造を構築(最小5nmピッチ)
・ 大気に曝さない雰囲気制御環境も整備
■データ例市販の化粧品(BBクリーム)を液体窒素にて冷却し、低温に保ったまま装置へ導入しました。
その後、冷却環境を維持しながらFIB法にて断面加工を行い、SEMで断面構造を観察しました。
さらにEDX分析にて元素マッピングを行うことで、O、Si、Tiの分布を評価しました。
冷却環境で一連の分析を行うことで、熱に弱い材料や溶液試料であっても
このように内部構造・含有元素を直接分析することが可能となりました。