AES分析による積層試料の割断面評価(C0335)
割断サンプルで50nm薄膜を可視化
MST技術資料No. | C0335 |
掲載日 | 2014/04/10 |
測定法・加工法 | [AES]オージェ電子分光法
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製品分野 | LSI・メモリ 電子部品 製造装置・部品
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分析目的 | 組成評価・同定 組成分布評価 形状評価 故障解析・不良解析
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概要
AES分析は最表面から数nm深さまでの組成情報を得る手法ですが、試料の断面からAES測定を行って元素分布像を得ることで、層構造を明瞭に評価することが可能です。積層構造の評価やトレンチやホールの内壁の元素分析に加え、機械加工やイオンビーム加工を併用することで、薄い合金層や元素の拡散・偏析等も評価可能です。
本事例ではSi基板上に成膜された薄膜について、AES分析を用いて評価したデータをご紹介します。
データ
Si基板上に積層された薄膜について、割断で断面を作成した後に断面方向からAES分析を行いました。
AES点分析の結果(図1)表面側金属膜からPt・Pdが検出され、2層目からはSi、Oが検出されました。
検出された各元素について面分析を行った結果(図2)、50nm厚みのSiO2膜も明瞭に観察され、金属膜との重なりを抑えて評価することが出来ました。
このようにAES分析では各層の情報が混ざりにくいため、割断断面のような簡便に作成した試料でも高い空間分解能でデータを取得することが可能です。